ここがふたりの帰る場所

人生ジプシーでした。
私は、じっとしていることや、お家の中に居続けることが苦手なのではなく、
ただ漠然と、自分の居場所を探してフラフラしていただけです。

退職して、渡馬して、帰国してから就職するまでの約10ヶ月間。
私の幸せは、
愛犬と一緒に家族をお見送りして
愛犬と一緒に適量の食事をとり
また愛犬と一緒に家族をお迎えすることでした。

それが出来たのは、東日本大震災のおかげ。
帰る場所がなくなるかもしれないことの寂しさを生まれて初めて知った。


さて。


彼の実家への挨拶を控えており、その件で彼と諸々打合せ中。
「せっかくの帰省だから、礼を欠かないなら、泊まろう。」と私が聞くと、彼はしばらく冷静に段取りを決めた後、言いました。

「僕にとっても、別の家だから。」

高校から上京しかれこれ24年、実家を離れて暮らしている彼と
震災が起きるまでの25年間、なんとなく自分の居場所を探してフラフラしていた私に
なんの共通点があるの?と問えば、具体性が無いんだけど。

お互い、絶対的に安らげる場所を求めてきたんだなーって。
おなか広げて寝ても大丈夫な場所を探してきたんだなーって。

ひとつだけでいい。
揺るぎなく信じられものひとつだけ、あればそれでいい。
それを人は、安心と呼ぶんだと思う。

私があなたの帰る場所。
あなたが私の帰る場所。
ここがふたりの帰る場所。

見つけてくれて、ありがとう。

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