ひとつ恋を終えた時に。
例えば、の話です。
例えばあなたに、
"運命のパートナー"
という者が決められていたとして。
「君達はいずれまた出逢う、よく憶えておきなさい」
そうやって、神様がふたりを向かい合わせて、
お互いにお互いをしっかり記憶して、
今、この世に生まれてきたのだとして。
赤ちゃんから育って、物心ついた頃には、
あんなにしっかり憶えていたはずの相手のことはすっかり忘れてしまっていて。
でも、
なんとなーく、ぼんやりと、所々憶えていたとして。
あなたは、
おぼろげなその"要素"にとても惹かれる訳です。
幼稚園の頃に好きだった、とっても優しい彼
小学校の頃好きだった、身長が高い彼
中学校の頃好きだった、後頭部のつむじが特徴的な彼
高校の頃好きだった、強い彼
大学の頃好きだった、生き方を大切にする彼
社会人になってから好きだった、ニヒルな彼
つい最近好きだった、高学歴の彼
そうやって、
無意識に、且つ意識的に、
あなたの"運命のパートナー"が持っていた要素と
同じ特徴を持つ人を好きになっていく。
まるで、
ヘンゼルとグレーテルが、パン屑を辿って行く様に。
あなたは自分の落としてきたパン屑を、
ウン十年って時間をかけて拾って行く。
その先に、
あの時しっかり記憶した、運命のパートナーが待っている。
もしあなたが、ひとつの恋を終えた時に、
こんな話があったことを、どうぞ思い出して下さい。
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